体組成計の体脂肪率はどこまで信じるか|医師が見る推定の限界

体組成計の体脂肪率はどこまで信じるか|医師が見る推定の限界 Amazon比較

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体組成計に乗ると、体脂肪率、筋肉量、内臓脂肪レベル、基礎代謝と、いくつもの数字が出ます。

そのうち、実際に測っているのは体重だけです。 ほかは推定値です。

この記事では、その推定がどうやって行われているのかと、どこまで信じてよいのかを書きます。

なお、この記事は一般的な情報提供です。減量の指示を受けている方は、主治医と管理栄養士の指示を優先してください。

何を測っているのか

体組成計は、体に微弱な電流を流して、その流れにくさ(抵抗)を測っています。 生体電気インピーダンス法と呼ばれる方法です。

原理は単純です。

  1. 脂肪は電気をほとんど通しません
  2. 筋肉や血管など、水分の多い組織は電気を通します

つまり、電気の通りにくさから「脂肪がどれくらいありそうか」を計算しています。

体脂肪率という数字は、測定値ではなく計算結果です。ここを押さえておくと、次の話が理解できます。

水分量で数字が動きます

体の水分が変われば、電気の通りやすさが変わります。 脂肪が変わっていなくても、表示は動きます。

数字が動く場面は、こういうときです。

  1. 運動や入浴の後 — 発汗で水分が減っています
  2. 食事や飲水の直後
  3. 朝と夜 — 体内の水分分布が違います
  4. 女性では、月経周期でも動きます

「昨日より体脂肪率が1%下がった」は、たいてい脂肪ではなく水分の話です。

だから、条件をそろえます

血圧計や体温計と同じ考え方です。同じ条件で測ってはじめて、比べられます。

  1. 起床後、トイレを済ませてから
  2. 食事や飲水の前
  3. 入浴や運動の前
  4. 素足で、同じ場所(硬い床)に置いて測る

4番は見落とされます。カーペットや畳の上では正しく測れません。

そして、1回の値で判断しないでください。 見るのは、数週間の傾向です。

選び方

測定原理はどれも同じなので、極端な精度の差は期待しないでください。見るのはこの3点です。

1. 記録が続く形か

手で書き写す運用は続きません。スマートフォンに自動で送れるものを選ぶと、続きます。

2. 家族で使うか

複数人で使うなら、乗っただけで誰かを判別するものが便利です。毎回選ぶ手間が消えます。

3. まず体重だけでも足りる

正直に書きます。体重を毎日同じ条件で記録するだけでも、管理としては十分に機能します。

項目数の多さで選ばないでください。 24項目測れても、見ない項目は意味がありません。

使えない方がいます

ここは医師として、はっきり書いておきます。

心臓ペースメーカーなど、植込み型の医療機器を使用している方は、体組成計を使用しないでください。

理由は、測定のために微弱な電流を体に流しているためです。体内の機器が影響を受けるおそれがあります。

体重計としてなら使える機種もありますが、機種によって異なります。 該当する方は、取扱説明書を確認し、主治医に相談してください。

妊娠中の方も、体内の水分量が大きく変動するため、体組成の数値は参考になりません。体重の管理は主治医の指示に従ってください。

数字より、変化を見る

医師として、いちばん伝えたいのはここです。

体脂肪率の絶対値には、それほど意味がありません。 機種が違えば数字も変わります。

意味があるのは、同じ機械で、同じ条件で測り続けたときの変化です。

  1. 体重が減っているのに、体脂肪率が下がっていない — 筋肉も一緒に減っている可能性
  2. 体重が変わらないのに、体脂肪率が下がっている — 中身が入れ替わっている可能性
  3. 短期間で大きく動いた — たいてい水分の話

3番を脂肪の増減だと思って一喜一憂しないでください。 これがいちばん多い誤解です。

数字が動かないときに見るところ

体重も体脂肪率も動かない時期は必ず来ます。そのとき見るのは、体組成計ではありません。

  1. 腹囲 — メジャーで測れます。体重が変わらなくても減ることがあります
  2. 服のサイズ感
  3. 血圧、血液検査の値

健診の数値のほうが、体組成計の推定値より確実です。 家庭の測定は、その間をつなぐものと考えてください。

家庭で測る数字の扱いは、家庭用血圧計の選び方でも書いています。

まとめ

3点です。

  1. 体脂肪率は推定値。 実測しているのは体重だけ
  2. 水分量で動く。 同じ条件・同じ機械で、数週間の傾向を見る
  3. 植込み型医療機器がある方は使用しない。 微弱電流を流しているため

項目数を増やすより、条件をそろえて続けるほうが情報量があります。

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