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当直の夜、缶コーヒーを何本飲んだか覚えていないことがあります。
眠気で判断が鈍るのが怖いので飲む。飲むから、明けに眠れない。眠れないから、翌日また飲む。
この記事では、当直と夜勤でのカフェインの使い方を、数字から整理します。
なお、この記事は一般的な情報提供です。持病がある方、妊娠中の方は主治医の指示を優先してください。
まず、体から抜ける速さを知る
カフェインが体内で半分になるまでの時間は、おおむね4〜6時間とされています。
ただし個人差が大きいのがこの物質の特徴です。同じ量で平気な人と、1杯で眠れなくなる人がいます。妊娠中や一部の薬を飲んでいる場合は、さらに長く残ることがあります。
半減期が5時間だとすると、こうなります。
- 22時に飲んだカフェインは、翌朝3時にまだ半分残っている
- その半分が抜けるのは、さらに5時間後の8時ごろ
- つまり、当直明けの勤務中もまだ体内にある
「朝までに抜ける」という感覚は、たいてい実際より早く見積もっています。
就寝6時間前でも、睡眠は浅くなります
ここが、いちばん伝えたい部分です。
就寝の6時間前にカフェインを摂っても、睡眠は影響を受けるという報告があります。深い睡眠の時間が短くなり、寝つくまでの時間も延びます。
そして、この研究でもう1つ示されているのが次の点です。
本人は「眠れた」と感じていたのに、脳波で測ると睡眠が浅くなっていました。
自覚では分からない、ということです。 当直明けに「意外と寝られた」と感じても、回復の質は落ちている可能性があります。
自分の感覚を根拠にできない領域なので、時刻で機械的に決めるしかありません。
1日の量の目安
日本には、カフェインの摂取量について定量的な基準がありません。厚生労働省や食品安全委員会は、海外の基準を情報提供する形をとっています。
よく参照されるのは、欧州食品安全機関の考え方です。
- 健康な成人 — 1日400mg未満、かつ1回200mg未満
- 妊娠中の方 — 1日200mg未満
飲み物に置き換えると、おおよそこうなります。
- コーヒー1杯(150mL程度)— 約80mg
- 缶コーヒー1本 — 90〜160mg(製品差が大きい)
- 緑茶・烏龍茶 — コーヒーより少ないが、ゼロではない
当直で缶コーヒーを3本飲むと、それだけで上限に近づきます。 そこにお茶やエナジードリンクが乗ると、超えます。
私の飲み分け
自宅に置いているものを、そのまま書きます。カフェインの量で3段階に分けています。
入れたいとき
当直の前半や、明けの運転前に飲むものです。500mLのペットボトルは、缶と違って途中で止められるのが利点です。飲み切らずに残せます。
減らしたいとき
烏龍茶にもカフェインは入っていますが、コーヒーより少ないです。「コーヒーをやめる」ではなく「濃度を落とす」という選択肢になります。
入れたくないとき
当直の後半と、明けに寝る前はここに切り替えます。 ルイボスティーは温かいものが飲みたいときの受け皿で、「飲む」という行為そのものを手放さずにカフェインだけ抜けます。
甘いものが欲しくなる時間帯には、糖のないものを置いています。
ただしコーラにもカフェインは入っています。 ゼロなのは糖であって、カフェインではありません。ここは取り違えやすい点です。
当直での実務的な決め方
時刻で決めるのが、いちばん破綻しません。
- 明けに眠る予定なら、その6時間前を最後の1本にする
- 明けもそのまま勤務が続くなら、帰宅して眠る時刻から逆算する
- 「眠くなったら飲む」をやめて、「この時刻まで」に変える
3番が効きます。眠気に反応して飲むと、いちばん飲んではいけない時間帯にいちばん飲むことになるためです。
当直の環境そのものを整える話は、当直バッグの中身と当直室にベッドがないときで書いています。
やめるときは、段階的に
カフェインを急にやめると、頭痛や強い倦怠感が出ることがあります。
当直の翌日にこれが重なると、原因が分からないまま体調不良として処理されます。減らすなら、日数をかけて段階的にしてください。
ここでも「ゼロか100か」にしないほうが続きます。 濃度を落とす選択肢を持っておくのは、そのためです。
受診を考える目安
次の場合は、飲み方の調整だけで済ませないでください。
- 動悸が続く、脈が飛ぶ感じがある
- 手のふるえ、強い不安感がある
- カフェインを減らすと日常生活に支障が出る
- 眠れない状態が数週間続いている
4番は、カフェインだけが原因とは限りません。 当直や夜勤が続く働き方そのものが関わっていることがあります。
まとめ
3点です。
- 半減期はおおむね4〜6時間で個人差が大きい。夜に飲めば明けの勤務中も残っている
- 就寝6時間前でも睡眠は浅くなる。 しかも本人は気づけない
- 目安は成人で1日400mg未満・1回200mg未満。缶コーヒー3本で上限に近づく
そのうえで、「眠くなったら飲む」ではなく「この時刻まで」に変えてください。 感覚を根拠にできない以上、時計で決めるほうが確実です。
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