
研修医の給与は、勤務の負担に比べて決して多くありません。「バイトで収入を増やしたい」と考える研修医は多いはずです。
しかし、結論から言います。初期研修医のアルバイト診療は禁止されています。これは病院のローカルルールではなく、法律に基づく制度です。この記事では、禁止の理由と違反のリスク、そして研修医の今だからこそできる準備を整理します。
なお、この記事は一般的な情報提供です。個別の可否は、必ず所属先の規定を確認してください。
初期研修医の副業が禁止される理由

初期研修医(臨床研修中の医師)には、医師法第16条の3で「臨床研修に専念する義務」が定められています。これを根拠に、研修期間中のアルバイト診療は制度上認められていません。
禁止には理由があります。
1. 研修に専念させ、診療能力の土台を確実に築かせるため
2. 指導体制の外での診療は、患者の安全を損なうリスクがあるため
3. 過重労働から研修医自身を守るため
「同期がやっているらしい」という話を聞いても、流されないでください。禁止されているのは診療のアルバイトであり、研修医であるあなたを守るためのルールでもあります。
違反するとどうなるか

無断でアルバイト診療をした場合、影響は小さくありません。
1. 研修の中断・未修了: 臨床研修の修了認定に影響し、その後の医籍登録やキャリアに響く可能性があります
2. 所属病院での処分: 就業規則違反として懲戒の対象になり得ます
3. 診療上のトラブル時に守られない: 指導体制の外で起きた医療事故は、研修医個人が重い責任を負うリスクがあります
数万円の収入のために、医師人生の土台を危険にさらすのは割に合いません。収入を増やす手段は、研修修了後にいくらでも開けます。
では、研修医の今は何もできないのか

診療のアルバイトはできませんが、「何もできない」わけではありません。研修医の2年間は、準備期間として使えます。
お金の土台をつくる
収入を増やせない時期こそ、お金の管理力が差になります。まず生活防衛資金を確保し、少額でも新NISAで積立を始めれば、複利の時間を最大限に使えます。入金力が上がる3年目以降に、正しい器がすでにある状態をつくれます。
知識とスキルを仕込む
簿記やFPなどお金の基礎知識、英語、文章力。研修修了後の副業や資産形成で効いてくるスキルは、当直の合間でも積み上げられます。診療報酬や医療制度への理解も、後々の武器になります。
情報を集める
3年目以降にどんな外勤・副業の選択肢があるのか、今のうちに知っておくだけで、修了後の動き出しが変わります。医師の副業の全体像は医師の副業で整理しています。
なお、執筆など診療以外の活動についても、研修専念義務と就業規則の観点から、必ず事前に所属先へ確認してください。
研修修了後に広がる選択肢

臨床研修を修了すると、状況は一変します。外勤(スポットバイト・定期非常勤)が可能になり、当直バイトや健診バイトで月数万円から数十万円の副収入が現実的になります。ただし専攻医の場合は、プログラムや所属先の規定で外勤が制限されることがあるため、ここでも確認が先です。
つまり研修医の2年間は、「稼げない期間」ではなく「稼げるようになる直前の助走期間」です。焦って禁止されたバイトに手を出すより、土台づくりに使うほうが、生涯で見れば確実に得をします。
まとめ
初期研修医のアルバイト診療は、医師法の研修専念義務に基づき禁止されています。違反は研修の修了認定や処分に関わり、数万円の収入に見合うリスクではありません。
今できるのは、生活防衛資金と少額積立でお金の土台をつくること、知識とスキルを仕込むこと、修了後の選択肢の情報を集めることの3つです。研修修了後には外勤の道が開けます。2年間を助走期間として使ってください。
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