コンタクトの素材と酸素透過率|医師が数字をどう読むか

コンタクトの素材と酸素透過率|医師が数字をどう読むか Amazon比較

※PR

コンタクトレンズの箱には、素材の名前と数字が並んでいます。

この数字が何を意味するのかを説明された経験は、あまり無いと思います。 この記事では、素材と酸素透過率の読み方を整理します。

最初に、いちばん大事なことを書きます。

この記事は、レンズを選ぶための記事ではありません。 度数もベースカーブも、眼科で測って決めるものです。ここで書くのは、処方を受けたあとに「なぜこの製品なのか」を理解するための話です。

なお、この記事は一般的な情報提供であり、個別の診断や処方に代わるものではありません。

前提:角膜には血管がありません

ここがすべての出発点です。

体のほとんどの組織は、血管から酸素を受け取ります。角膜は違います。 透明である必要があるため、血管が通っていません。

では、どこから酸素を得ているのか。主に涙液を介して、大気から受け取っています。

コンタクトレンズは、その角膜の上に直接のせる異物です。レンズが酸素を通さなければ、角膜は酸素不足になります。

だから酸素透過率が問題になります。装用感の話ではなく、組織の代謝の話です。

素材は大きく2つに分かれます

ハイドロゲル

従来からある素材です。水を含ませて、その水を通して酸素を届ける仕組みでした。

この方式には限界があります。酸素を多く通したければ含水率を上げる必要があり、含水率を上げると今度はレンズが涙を吸って乾きやすくなります。 酸素と乾燥がトレードオフになっていました。

シリコーンハイドロゲル

シリコーンは、水よりもはるかに酸素を通します。水に頼らずに酸素を通せるようになったのが、この素材の転換点です。

含水率を上げなくても酸素が届くので、酸素と乾きにくさを両立できます。 現在の主要な製品の多くがこちらに移っています。

酸素透過率(Dk/L)の読み方

箱やサイトに書かれている数字です。読み方には注意点が3つあります。

1. 目安になる数字がある

終日の装用に必要とされる目安として、24.1という数値が使われます。角膜が酸素不足を起こさないラインとして、研究にもとづいて示されてきたものです。

現在のシリコーンハイドロゲルの製品は、これを大きく上回ります。

2. 80を超えると頭打ちになります

ここが、いちばん見落とされている点だと思います。

数値が高いほど角膜に届く酸素が増え続けるわけではありません。おおむね80を超えたあたりから、角膜への酸素の流量は頭打ちになることが知られています。

つまり、120の製品と160の製品を比べて、その差がそのまま目の健康の差になるわけではありません。 数字だけで上位を選ぶ意味は、ある地点から薄れます。

3. 公表値は「特定の条件での値」です

公表されているDk/L値は、度数マイナス3.00の、レンズ中心部で測った値です。

レンズの厚みは度数で変わります。強い度数のレンズは中心か周辺のどちらかが厚くなるので、実際に自分の目に届く量は公表値と同じではありません。

数字は製品を比べる目安であって、自分の目での実測値ではない、ということです。

数字で選べない部分のほうが大きい

酸素透過率が同じでも、合う人と合わない人がいます。理由は数字の外にあります。

  1. ベースカーブと直径 — 角膜のカーブに合っていないと、動きすぎるか、張り付きます
  2. 涙液の量と質 — 乾きやすい目では、素材より涙のほうが効きます
  3. 装用時間 — 8時間の人と16時間の人では、必要な条件が変わります
  4. アレルギーや既往 — 花粉症の時期だけ合わなくなる人もいます

このどれも、自分では測れません。 だから処方が要ります。

実際に使っているもの

私が使っているのは、ワンデーのシリコーンハイドロゲルです。

リンクを製品ページではなく検索結果にしているのには理由があります。

コンタクトレンズは、度数とベースカーブごとに別の商品として売られています。 記事に置いたリンクをそのまま押すと、自分の処方と違うものを買うことになります。

処方箋または処方内容を手元に置いて、自分の値を選んでください。 ここだけは他人の記事を経由してはいけない部分です。

ほかの選択肢を見るなら、素材で絞るのが早いです。

ワンデーを選ぶ理由は、酸素だけではありません

素材の話とは別に、使い捨ての間隔そのものに意味があります。

繰り返し使うレンズは、ケアの質に結果が左右されます。こすり洗いを省く、保存液を継ぎ足す、ケースを洗わない。これらは全部、実際に起きています。

ワンデーは、その日で捨てるので、ケア不良という失敗の経路が構造的に無くなります。 装用感や酸素の数値より、この一点のほうが効く人は多いと思っています。

医師にありがちな失敗

同業として、これは書いておきます。

当直で、つけたまま寝ることです。

呼ばれる前提で仮眠に入るので、外すのを飛ばします。そして朝まで、あるいは翌日の勤務まで入ったままになります。

装用したまま眠ると、閉じたまぶたの下で酸素はさらに届きにくくなります。 酸素透過率の高い素材であっても、それを前提にした使い方ではありません。

当直バッグに保存用のケースと予備、そして眼鏡を入れておいてください。眼鏡があると「外す」という選択が取れるようになります。 持ち物の整理は当直バッグの中身で書いています。

受診してください

次の場合は、レンズを外して眼科へ行ってください。

  1. 充血が続く、痛みがある、目やにが増えた
  2. かすむ、見え方が変わった
  3. レンズを入れると強い異物感がある
  4. 症状が無くても、定期検査を受けていない期間が長い

4番が最も多いと思います。 通販で買い続けられる時代なので、受診が途切れます。

自覚症状が出ない変化があります。 角膜の状態は自分では見えません。定期的に見てもらってください。

まとめ

読み方は3点です。

  1. 角膜には血管がない。酸素はレンズを通して届く
  2. 目安は24.1。ただし80を超えると頭打ちになるので、数字の上位争いに意味は薄い
  3. 公表値は度数マイナス3.00の中心厚での値。自分の目での値ではない

そして、度数とベースカーブは処方で決まります。 素材や数字を理解することと、自分に合うレンズを選ぶことは、別の作業です。

【現役医師による個別コンサル】

DOCs(ドックス)伴走型コンサル

副業・節税・資産形成を「一般論」ではなく、あなたの診療科・学年・勤務状況に合わせて個別に伴走します。らいおん先生(@drlion1111)が担当します。まずは無料相談から。

LINEで無料相談する →

商品の価格と在庫は変わります。購入前に、必ず最新の情報をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました