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外来で「家で測ってきてください」と言われた経験があると思います。
あれは念のためではありません。 診察室で測る血圧より、家庭で測る血圧のほうを重く見るからです。
この記事では、なぜ家庭血圧なのかを先に説明し、そのうえで血圧計の選び方を書きます。
なお、この記事は一般的な情報提供です。診断や薬の調整は主治医の指示に従ってください。
家庭血圧のほうが優先されます
日本のガイドラインでは、診断でも治療でも、家庭血圧を優先するという考え方が取られています。
理由は単純です。診察室では血圧が上がるからです。
- 病院に来るまでに歩いている
- 待たされている
- 白衣を前にすると緊張する
その一瞬の値より、家で毎日測った平均のほうが、その人の本当の血圧に近い。 そう考えられています。
逆のパターンもあります。診察室では正常なのに、家庭では高い。これは診察室で測っているだけでは、見つかりません。
数字は2種類あります。混同しないでください
ここが、いちばん取り違えられている点です。
「高血圧かどうかを決める数字」と「治療で目指す数字」は別です。
診断の基準 診察室 140/90以上 / 家庭 135/85以上
治療の目標 診察室 130/80未満 / 家庭 125/75未満
診断基準は変わっていません。 一方で治療の目標は、2025年のガイドライン改訂で全年齢130/80未満に統一されました。
以前は「75歳以上は140/90未満」という別の目標が置かれていました。そこが変わっています。
つまり、135/85は「高血圧です」のラインであって、「ここまで下げれば十分」のラインではありません。 この2つを同じだと思っていると、目標を高く見積もることになります。
自分の目標値は、年齢や合併症で変わります。主治医に確認してください。
上腕式を選んでください
血圧計は上腕式と手首式があります。勧めるのは上腕式です。
手首式が常に不正確というわけではありません。姿勢を正しく取れば、精度そのものは大きく変わらないとされています。
問題は、その姿勢を毎日正しく取り続けられるかです。
手首式は、心臓と同じ高さに保つ必要があります。少しずれるだけで値が動きます。測定部位が変われば、健康な人でも10mmHg程度の差が出ることがあります。
さらに、高齢の方や動脈硬化がある方では、手首式で実際とずれた値が出やすいという報告があります。血圧計が必要になるのは、まさにその層です。
まず1台目として、基本の機能がそろっているものです。毎日測って記録するという目的なら、これで足ります。
カフのサイズで値が変わります
見落とされやすいのに、影響が大きい点です。
腕に対してカフが小さいと高めに、大きいと低めに出ます。 腕が太い方が標準のカフで測ると、実際より高い値が記録されます。
「うちの機械はいつも高い」という場合、機械ではなくカフが原因のことがあります。
購入前に自分の上腕まわりを測って、対応範囲を確認してください。 メーカーは別売りのカフも用意しています。
巻き方も同じくらい効きます。
- 素肌か、薄手の服の上から巻く。厚手の服の上から巻かない
- 指が2本入る程度のゆるさ
- カフの位置を心臓の高さに合わせる
測る時刻を決めてください
ガイドラインでは、朝と晩に測り、5〜7日以上の平均で判断するという考え方が取られています。
1回の値で一喜一憂しないでください。血圧はもともと動きます。
朝 — 起きて1時間以内、トイレを済ませてから、薬を飲む前、朝食の前。座って1〜2分休んでから測る
晩 — 寝る前。入浴や飲酒の直後は避ける
同じ条件で測り続けることが、精度より大事です。 毎日違う時刻・違う状況で測った値は、比べられません。
記録が続かない場合は、通信機能つきを選ぶと手入力が消えます。
HEM-7600シリーズはチューブのない一体型で、巻くだけで測れる形です。毎日の手間を減らしたい場合の選択肢になります。
価格を抑えるなら、こちらもあります。
それでも手首式を選ぶなら
否定はしません。上腕式を「巻くのが面倒で使わなくなる」なら、手首式で毎日測るほうがましです。
測らない日が続くことのほうが、精度の差より大きな問題です。
ただし条件があります。手首を心臓の高さに合わせること。 それができないなら、値は参考になりません。
受診の目安
家庭血圧で次のような場合は、次回の外来を待たずに相談してください。
- 上が180以上、または下が110以上の値が出た
- 強い頭痛、吐き気、視覚の異常、胸の痛み、しびれや麻痺をともなう
- 測るたびに大きくばらつく、脈が乱れている
2番は救急です。 血圧を測っている場合ではありません。すぐ受診してください。
1番でも、症状がなければまず落ち着いて座り、数分後に測り直してください。 一度の高値だけで判断はできません。
まとめ
3点です。
- 家庭血圧が優先される。 診察室の一瞬より、家の平均のほうが実態に近い
- 診断基準と治療目標は別。 135/85は「高血圧です」のライン、目標は家庭で125/75未満
- 上腕式・カフのサイズ・同じ時刻。 この3つで測定値の質が決まる
買っただけでは何も変わりません。 続けられる形にすることが、機種選びより大事です。
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