トクホと機能性表示食品の違い|医師が見る「通っている関門」

トクホと機能性表示食品の違い|医師が見る「通っている関門」 Amazon比較

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飲料の棚に、似たようなパッケージが並んでいます。「脂肪の吸収を抑える」「血圧が高めの方に」。

この2つが、まったく違う制度で売られていることを知っている人は多くありません。

この記事では、どちらが国の審査を通っているのかを整理します。

なお、この記事は一般的な情報提供です。治療中の方は、主治医に相談してから使ってください。

3つの制度があります

健康に関する表示ができる食品は、大きく3種類あります。

特定保健用食品(トクホ) 国が有効性と安全性を審査し、許可する

機能性表示食品 事業者が科学的根拠を届け出る。国の審査はない

栄養機能食品 決められた成分と量の基準を満たせば表示できる

いちばん大きな違いは、真ん中です。

トクホは「許可制」

トクホは、製品ごとに国の審査を受けます。

その製品を使った試験の結果を出して、有効性と安全性が認められたものだけが許可されます。許可されると、あの人のマークが付きます。

だから、手間と費用がかかります。 1製品ごとに審査を通す必要があるためです。

機能性表示食品は「届出制」

こちらは2015年に始まった、比較的新しい制度です。

事業者が自分の責任で科学的根拠をそろえ、消費者庁へ届け出ます。 受理されれば表示できます。

国が中身を審査して許可しているわけではありません。 ここが決定的な違いです。

根拠として、その製品自体の試験ではなく、成分についての研究をまとめたもの(研究レビュー)が使われることがあります。成分に効果があることと、その製品を飲んで同じ効果が出ることは、同じではありません。

制度が悪いと言いたいのではありません。 ただ、「国のお墨付き」という言葉が両方に使えるわけではないことは知っておいてください。

2024年に、制度が見直されました

紅麹の関連製品で健康被害が報告された問題を受けて、機能性表示食品の制度は2024年に改正されました。

安全性の確保が厳しくなり、健康被害の情報を国へ報告する仕組みも整えられています。

逆に言えば、それ以前は届出だけで市場に出ていたということです。この経緯を知っておくと、表示の重みが変わって見えます。

栄養機能食品は、また別です

3つ目です。ビタミンやミネラルなど、決められた成分について、国が定めた量の範囲に入っていれば表示できます。

届出も許可も要りません。規格に合っているかどうかだけの制度です。

「ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です」といった定型の文章が使われます。製品ごとの効果を示すものではありません。

医師として、どう見ているか

3点あります。

1. どの制度でも「薬」ではありません

治療の代わりにはなりません。血圧の薬をやめてトクホのお茶に替える、という使い方は危険です。

2. 効果の大きさは、たいてい小さい

表示されている効果は、条件を満たした試験で統計的に差が出た、という意味です。その差が生活を変えるほど大きいとは限りません。

3. 飲んでいることを主治医に伝えてください

成分によっては、薬の効きに影響することがあります。特に、血圧・血糖・中性脂肪に関わるものを飲んでいる場合は伝えてください。

選ぶときに見るところ

  1. どの制度の食品かを、パッケージで確認する
  2. 「何を」「どれくらい」摂ると表示された効果が期待できるのか、1日の目安量を見る
  3. 同じ成分を複数の製品から重ねて摂っていないか

3番は見落とされます。サプリと飲料と食品で、同じ成分を重ねていることがあります。

まとめ

3点です。

  1. トクホは国の許可制。機能性表示食品は届出制で、国の審査はない
  2. 機能性表示食品は成分の研究レビューが根拠のことがある。 製品そのものの試験とは限らない
  3. どれも薬ではない。 治療の代わりにせず、飲んでいることを主治医に伝える

表示の読み方はスポーツドリンクの原材料表示でも書いています。

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