当直バッグの中身|36時間勤務を乗り切るために持っていくもの

当直バッグの中身|36時間勤務を乗り切るために持っていくもの 医師の働き方改革

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当直に何を持っていくかは、研修医のうちに一度決めてしまうと、あとが楽になります。

ただ、市販の「快眠グッズ」の記事をそのまま参考にすると、医師の場合は外します。前提が違うからです。

この記事では、当直バッグに入れるものを、当直という勤務形態から逆算して整理します。

なお、この記事は一般的な情報提供です。特定の商品の効果を保証するものではありません。

前提が違います。当直は明けも勤務です

一般の睡眠記事は「夜しっかり眠って、朝すっきり起きる」を前提に書かれています。

医師の当直は違います。

当直明けにそのまま通常勤務が続き、32時間から36時間の連続勤務になることが珍しくありません。「当直明けは帰って寝る」という前提は、多くの職場で成り立ちません。

つまり、あとで取り返すことができません。当直中の細切れの睡眠を、その場で少しでも良くするしかない。

道具を選ぶ基準は、ここから決まります。

完全遮音の耳栓は、当直では使えません

まず、持っていかないほうがいいものから書きます。

市販の快眠グッズで最も推されているのが、完全遮音をうたう耳栓とノイズキャンセリングのイヤホンです。

当直では使えません。

呼ばれる前提で寝ているからです。PHSの音、ドアのノック、隣室の物音。これらを遮ってしまうと、道具として役に立たないどころか危険です。

一般向けの記事はこれを勧めます。その記事は、呼ばれない人のために書かれています。

当直で耳栓を使うなら、遮音性の高いものではなく、空調やいびきのような連続音だけを下げる程度のものを選んでください。呼び出しは聞こえる強さで止めます。

光は遮っても問題ありません

音と違って、光は遮って構いません。呼ばれれば起きられます。

当直室は、廊下の明かりが漏れる、モニタが光る、消灯できない、という環境が多いはずです。アイマスクは、当直で唯一「完全に効かせていい」道具です。

選ぶときに見るのは3点です。

  1. 鼻の脇から光が漏れないか
  2. 横向きで寝ても圧迫感がないか
  3. 洗えるか

3つ目を軽く見ないでください。当直室に持ち込んで、汗をかいた状態で使います。

薄手のシルク素材のものは軽く、横向きでも当たりが弱いので、当直向きです。

温めるタイプもあります。使い捨ての蒸気タイプは、目の疲れを取る目的なら向いていますが、遮光は弱いので、暗くしたいなら遮光用と使い分けてください。

繰り返し使えるタイプは、当直の頻度が高い場合に費用が下がります。

携帯枕は、仮眠室の枕を当てにしないためのものです

当直室の枕は、高さも硬さも選べません。合わない枕で数時間を過ごすと、翌日の勤務に響きます。

携帯枕を選ぶ基準は、寝心地よりも荷物にならないことです。

空気で膨らませるタイプは小さく畳めますが、当直室のベッドで使うには安定しません。低反発の小型のものを、バッグの外側に付けて運ぶほうが現実的です。

高さが合わないときは、たたんだタオルで調整できます。枕そのものより、高さを変えられることのほうが大事です。

シャンプー・トリートメント・ボディソープは持参する

当直室のシャワーに備え付けがある職場でも、持っていくことを勧めます。

理由は2つです。

  1. 備え付けは補充が保証されていない
  2. 髪質に合わないと、翌日そのまま外来に出ることになる

当直明けにそのまま勤務が続くので、シャワーのあとの状態が、そのまま日中の見た目になります。 ここは削らないでください。

トラベル用の小容量を3本まとめてバッグに常備し、使い切ったら補充する形にすると、当直のたびに詰め替える手間がなくなります。

洗面用具は「当直バッグに入れっぱなしにする」のが基本です。毎回入れ替えると、必ずどこかで忘れます。

持っていかなくていいもの

逆に、当直バッグに入れがちで要らないものを挙げます。

  • 完全遮音の耳栓とノイズキャンセリングのイヤホン
  • 睡眠サプリメント
  • 大きな枕やブランケット

睡眠サプリメントについては、当直中に飲むものとして勧められません。呼ばれたときに判断と手技が要るからです。眠気を誘う目的の市販品は、当直中には向きません。

まとめ

当直の道具選びは、一般の快眠グッズ選びとは基準が違います。

見る順番は3つです。

  1. 呼ばれる前提で使えるか(音は遮らない、光は遮る)
  2. 荷物にならないか
  3. 入れっぱなしにできるか

当直は、あとで取り返せません。 その場の数時間を少しでも良くする道具に絞って、バッグに入れっぱなしにしてください。

当直そのものの負担については、当直明けの体調管理でも書いています。

道具で改善できるのは、その場をしのぐところまでです。当直の回数そのものや、明けの勤務をどう扱うかは、働き方の設計の話になります。

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