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「37.2度でした」と言われたとき、医師が最初に考えるのはその人の平熱です。
同じ37.2度でも、意味が違います。 平熱が36.9度の人と、35.8度の人では、体に起きていることが違います。
この記事では、体温計の選び方と、測った値をどう読むかを書きます。
なお、この記事は一般的な情報提供です。症状が強い場合は数値にかかわらず受診してください。
予測式と実測式は、やっていることが違います
電子体温計には2つの方式があります。
予測式 — 数十秒の温度の上がり方から、このまま測り続けたらどこまで上がるかを計算して表示します。
実測式 — 実際に温度が上がりきるまで測ります。脇なら10分程度かかります。
つまり、予測式が出しているのは計算値です。 早いかわりに、条件が悪いとずれます。
多くの製品は両方を備えていて、そのまま挟み続けると実測に切り替わります。
迷ったら、この価格帯の脇式で足ります。 家庭で必要な精度は満たします。
早さを取るなら、15秒で出るものもあります。
子どもがじっとしていられない場面では、早さがそのまま精度になります。 動いてしまえば、どんな方式でも正しく測れません。
記録を残したいなら、アプリに送れるものがあります。
毎日の記録が必要な場面では、手入力が消えるのは大きいです。
脇で測ると、低く出やすい
これは方式の問題ではなく、測り方の問題です。
- 脇が汗で濡れている — 気化熱で下がります。拭いてから測る
- 脇が冷えている — 外から帰った直後、薄着で過ごした後
- 先端が脇のくぼみに当たっていない — 斜め下から差し込み、腕をしっかり閉じる
- 測っている間に腕が開く
「熱がある気がするのに測ると平熱」というとき、多くはこのどれかです。汗を拭いて、5分ほど落ち着いてから測り直してください。
非接触式は、参考値として使う
額にかざすタイプは、触れずに測れることが最大の利点です。人が多い場所や、眠っている子どもには向きます。
ただし、環境に左右されます。
- 寒い場所から入ってきた直後は低く出る
- 直射日光に当たった後や、汗をかいた額では狂う
- 測る距離と角度で値が動く
「熱があるかどうかの目安」としては使えます。 ただ、診断や経過を追う目的には向きません。数字が必要な場面では、脇で測り直してください。
平熱を知っておくこと
いちばん役に立つ準備がこれです。
元気なときに、同じ時刻・同じ条件で数日測ってください。 それが自分の平熱です。
体温は1日の中で動きます。朝は低く、夕方に高くなります。朝と夕方の値を比べても意味がありません。
平熱を知っていると、「37.0度」が自分にとって高いのか、いつもどおりなのかが分かります。 数字そのものより、この差のほうが情報量があります。
受診の目安
数値ではなく、状態で判断してください。
すぐ受診または救急
- 意識がぼんやりしている、呼びかけへの反応が鈍い
- けいれんがある
- 呼吸が苦しそう、会話が続かない
- 生後3か月未満で38度以上
- 水分が取れない、尿が出ていない
受診を考える
- 高い熱が3日以上続く
- 一度下がったのに、また上がってきた
- 熱以外の症状(強い頭痛、発疹、腹痛)が加わった
熱の高さと病気の重さは、比例しません。 39度でも軽いことがあり、37度台でも重いことがあります。熱だけを見ないでください。
まとめ
3点です。
- 予測式は計算値。 早いかわりに条件が悪いとずれる。挟み続ければ実測に切り替わる
- 非接触は参考値。 環境に左右されるので、数字が要る場面では脇で測り直す
- 平熱を知っておく。 同じ37.2度でも、人によって意味が違う
家庭で測る数字の扱いは、家庭用血圧計の選び方とパルスオキシメータの選び方でも書いています。
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