医師は高収入ですが、退職金や老後資金の設計は勤務形態によって大きく変わります。「高収入だから老後も安心」と考えていると、想定外の事態になりかねません。特に、勤務先を変えてきた医師や開業医は、自分で備える必要があります。
この記事では、医師の退職金の実態を勤務形態別に整理し、自分で老後資金を作る方法を解説します。
なお、この記事は一般的な情報提供です。個別の年金額や退職金は、勤務先やご自身の状況で確認してください。投資助言ではありません。
勤務形態で退職金は大きく変わる
医師の退職金は、勤務形態によって実態が異なります。
大学病院・公的病院
長く勤めれば、退職金制度があることが多いです。ただし、給与水準が市中病院より低めのため、退職金もそれに応じた水準になることがあります。
市中病院
病院によって退職金制度の有無や水準はさまざまです。転職を繰り返すと、1か所での勤続年数が短くなり、退職金が積み上がりにくくなります。
開業医
開業医には、勤務医のような退職金はありません。自分で老後資金を準備する必要があります。その代わり、小規模企業共済などの制度を活用できます。
つまり、キャリアの積み方によって、退職金の実態はまったく違います。自分がどの立場かを踏まえた設計が必要です。
公的年金だけでは足りない理由
医師は、公的年金だけで老後を賄うのが難しい立場です。理由があります。
現役時代の収入が高い分、老後も一定の生活水準を保ちたいと考える人が多いものです。しかし、公的年金は現役時代の収入をそのまま反映するわけではありません。現役時代と老後の収入差が、他の職業より大きくなりがちです。
また、転職を繰り返した医師や開業医は、退職金の積み上がりが少なく、公的年金への上乗せが不足しやすい傾向があります。だからこそ、自分で備える意識が重要です。
自分で老後資金を作る方法
退職金に頼れない分、自分で老後資金を作る手段があります。
iDeCo
掛金が全額所得控除になり、老後資金を準備しながら節税できます。詳しくは医師のiDeCoとNISAの併用を参照してください。
新NISA
運用益が非課税で、長期の資産形成に向いています。詳しくは医師のNISA・iDeCoの始め方を参照してください。
小規模企業共済
開業医や、副業で事業所得がある医師が使える退職金の代わりの制度です。掛金が所得控除になります。
これらを組み合わせて、退職金の不足を自分で補うのが基本の考え方です。資産形成全体の順番は医師の資産形成の順番で整理しています。
退職金の受け取りにも注意
退職金やiDeCoを受け取るときにも、注意点があります。
退職金とiDeCoの一時金を同じような時期に受け取ると、退職所得控除の枠を分け合うことになり、税負担が増える場合があります。受け取り方やタイミングによって、手取りが変わります。
受け取りの設計は複雑なので、税理士に相談するのが確実です。掛けるときだけでなく、受け取るときの税金も含めて考えてください。
まとめ
医師の退職金は、勤務形態で大きく変わります。大学・公的病院は制度があることが多く、転職の多い医師や開業医は積み上がりにくいのが実態です。公的年金だけでは、現役時代との収入差を埋めきれません。
だからこそ、iDeCo・新NISA・小規模企業共済を組み合わせて、自分で老後資金を作ることが重要です。受け取り時の税金にも注意し、設計は税理士に相談してください。
繰り返しますが、この記事は一般的な情報提供であり、投資助言ではありません。
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