勤務医の「本当の時給」の出し方|当直明けの勤務を数えると景色が変わる

勤務医の本当の時給の出し方 メーター・シミュレーター

年収1,500万円は、時給にするといくらでしょうか。

週40時間で52週なら2,080時間。割ると約7,200円です。

この数字は、ほぼ確実に間違っています。

間違いは2か所で起きます

1. 当直の時間が入っていない

当直は「勤務ではない時間」として扱われることが多く、手当で処理されます。ところが病院にいて、呼ばれれば対応する以上、拘束されていることに変わりはありません。

16時間の当直を月4回入れば64時間です。年間768時間。これを分母に入れるかどうかで、時給は3割近く動きます。

2. 当直明けの勤務が数えられていない

ここがいちばん大きい。

当直が明けて、そのまま日勤に入る。外来を回し、場合によっては手術に入る。終わって帰るのは夕方です。

始業から数えると36時間近い連続勤務になります。

ところが多くの人が、この日の勤務を「当直1回+日勤1日」として別々に数えています。実際には途切れていません。睡眠を挟まずに続いた36時間を、8時間の日勤と同じ重みで数えるのは、実態と合いません。

「当直明けは午前で帰れる」という建前がある職場でも、実際に帰れているかは別の話です。帰れていない日を数に入れないと、分母は小さいままになります。

分母に入れるべきもの

  • 所定内の勤務時間
  • 残業(申告していない分も含む)
  • 当直・日直の拘束時間
  • 当直明けにそのまま続けた勤務
  • オンコールで実際に呼び出された時間
  • 外勤の移動時間(片道1時間なら往復2時間)
  • 学会・研修で潰れた休日

最後の2つを入れるかどうかは考え方が分かれます。ただ、移動と学会で土日が消えているなら、それは自由に使える時間ではありません。少なくとも一度は入れて計算してみる価値があります。

自分の数字で出す

勤務医の「真の」時給メーターは、当直と当直明けの勤務を別々に入力できるようにしてあります。登録は不要です。

入れてみると、額面から想像する数字より2〜3割低く出ることが多いはずです。

下がった数字を見たあとに何をするか

実質時給が出たら、比較の軸が1つできます。

外勤1回8万円が、割に合っているか。片道1時間かけて8時間働くなら、拘束は10時間です。時給8,000円。実質時給が6,000円なら、外勤のほうが効率は良いことになります。

当直1回3万円が、割に合っているか。16時間拘束で、明けも働くなら実質30時間超。時給1,000円を切ります。ここは多くの人が直視していない数字です。

法人化が意味を持つ水準か。時給ではなく手残りの話になりますが、実質時給が低いまま時間を増やしても限界があります。単価を上げるか、給与以外の受け取り方に変えるか、という選択に移ります。

時給を上げる方法は3つしかありません

1. 分子を増やす(単価の高い外勤へ替える、交渉する)

2. 分母を減らす(当直を外す、移動時間の短い勤務先に替える)

3. 受け取り方を変える(給与と事業所得に分けて、手残りを増やす)

1と2は同時にやらないと効きません。単価の高い外勤は遠方にあることが多く、移動で分母が増えるためです。

3については副業法人化 損益分岐シミュレーターで、自分の年収だと法人化が得になるかを確認できます。

まとめ

  • 年収÷2,080時間は実態と合わない
  • 当直の拘束時間と、当直明けに続けた勤務を分母に入れる
  • 入れると額面から想像する時給より2〜3割低く出る
  • 出した数字は、外勤・当直が割に合っているかの判断軸になる
  • 上げる方法は、単価・時間・受け取り方の3つ

時給メーターで自分の数字を出す

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